最新更新日2021/05/15☆☆☆

Previous⇒2022本格ミステリ・ベスト10 国内版予想

本ミス2023
対象作品である2021年11月1日~2022年10月31日の間に発売された謎解き主体のミステリー作品の中か らベスト20の順位を予想していきます。ただし、あくまでも個人的予想であり、順位を保証するものではありません。また、予想は作家の知名度や人気、作風、話題性などを考慮したうえで票が集まりそうな作品の順に並べたものであり、必ずしも予想順位が高い作品ほど優れているというわけでもありません。それらの点についてはあらかじめご了承ください。
※紹介作品の各画像をクリックするとAmazon商品ページにリンクします

 2022年4月30日時点での暫定予想順位

1位.時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2(大山誠一郎)
シリーズ第2弾。5つの収録作品の内、第1話のトリックは比較的簡単ですが、その後は500人の証人によるアリバイやひとつの事件の犯人だと仮定するともうひとつの事件の犯行が不可能になってしまうなど、非常に凝ったアリバイが楽しめます。従来のパターンを逆手にとったトリックが秀逸です。
時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2
大山 誠一郎
実業之日本社
2022-03-17


2位.名探偵に甘美なる死を(方丈貴恵)
竜泉家シリーズ第3弾。最近流行りともいえるVR空間内での殺人が描かれていますが、VRの中の館という設定を活かし切った密室トリックは読者の意表を突くものであり、見事という他ありません。また、素人探偵たちの推理合戦も読み応え十分。ただ、設定やプロットが難解で詰め込み過ぎな感はあり。


3位.ダミー・プロット: 山沢晴雄セレクション (山沢晴雄 )
本作のプロットは極めて錯綜しており、各所で見つかるバラバラ死体や複数のアリバイ工作など様々なガジェットを盛り込みながら全体として何が起きているかよく分からないという点に最大の特徴があります。しかし、そこにとらわれすぎるとすっかり騙されることになります。超絶技巧の傑作です。


4位.捜査線上の夕映え(有栖川有栖)
作中アリスの「(流行りの)特殊設定に頼らない本格にこだわりたい」という宣言通り、事件は現実的で地味です。しかし、そこから捜査と検証を繰り返して二転三転を繰り返す過程には安定の面白さがあります。一方、無理のあるトリックを用いて物語性を高めるという試みに関しては評価に迷うところ。
捜査線上の夕映え 火村英生 (文春e-book)
有栖川 有栖
文藝春秋
2022-01-11


5位.記憶の中の誘拐 赤い博物館 (大山誠一)
犯罪資料館館長である緋色冴子の推理が冴え渡るシリーズ第2弾。5つの短篇は秀作揃いで、しかも、尻あがりに面白くなっていくのが好印象。まず、3作目の『死を十で割る』での死体をバラバラにした理由に驚かされ、続く『孤独な容疑者』も典型的な倒叙ものと見せかけてのヒネリに唸らされます。
記憶の中の誘拐 赤い博物館 (文春文庫)
大山 誠一郎
文藝春秋
2022-01-04


6位.あれは子どものための歌 (明神しじま)
第7回ミステリーズ!新人賞佳作の『商人の空誓文』より始まる連作集。ファンタジー世界の話に伏線を盛り込んで一級のミステリに仕上げています。特に、どんな賭けにも負けない少女の物語を怒涛の伏線回収で反転させる表題作が秀逸。また、全てのエピソードが繋がっていく構成もよく出来ています。


7位.パラレル・フィクショナル(西澤保彦)
予知夢の内容を手掛かりに未来の惨劇を食い止めようとする特殊設定ミステリ。この夢から惨劇の原因を推理しようとするのが楽しく、謎だらけの状況から一つ一つ真実に近づいていくのは本格ミステリの醍醐味だといえます。また、ヒネリを加えた展開や設定を十分に活かした真相も見事です。
パラレル・フィクショナル
西澤保彦
祥伝社
2022-03-10


8位.六法推理(五十嵐律人)
大学を舞台に、法律に詳しい男子学生と推理力に優れた女子学生の2人を探偵役に配した連作ミステリ。2人が互いの仮説を補いながら次第に真相へと近づいていく構図がユニークです。シリアスな問題を扱い、結末もビターなものが多いなかで2人の掛け合いが楽しく、軽快な読み口なのが好印象。
六法推理 (角川書店単行本)
五十嵐 律人
KADOKAWA
2022-04-25


9位.赫衣の闇 三津田信三
戦後の闇市を舞台にした物理波矢多シリーズ第3弾。赤の迷路と呼ばれるゴーストタウンに出没する怪人が絡んだ密室殺人を扱っているものの、トリック自体は大したことはありません。むしろ、その背景として描かれるこの時代ならではの動機がホワイダニットとして秀逸です。ただ、謎解きはやや淡白。
赫衣の闇 物理波矢多シリーズ (文春e-book)
三津田 信三
文藝春秋
2021-12-09


10位.弔い月の下にて(倉野憲比古)
隠れキリシタンが大量死したいわくつきの島で顔のない死体が発見されるという展開はおどろおどろしくて現代版乱歩といった趣があります。全編が衒学趣味や異常心理といった描写で彩られており、その辺りはいかにも戦前の探偵小説です。ぶっとんだトリックをどう受け止めるかで評価がわかれそう。
弔い月の下にて
倉野憲比古
行舟文化
2022-01-06


11位.ルームメイトと謎解きを(楠谷佑 )
全寮制の男子校で殺人事件が起き、凸凹コンビが事件解決に挑む青春ミステリー。前半はミステリ要素皆無の青春小説といった感じですが、事件発生後はロジカルな推理ものとして楽しむことが出来ます。特に、容疑者を8人に絞り込んでからの消去法推理が圧巻。フーダニット好きの人におすすめです。
ルームメイトと謎解きを
楠谷佑
ポプラ社
2022-04-13


12位.断罪のネバーモア(市川憂人)
パラレルワールドが舞台とはいえ、一見地味な警察小説で著者の過去作のような大掛かりなトリックなどはありません。しかし、解決したはずの各事件が最終章で反転し、別の意味を持ってくるプロットは見事です。ただ、各事件のシンプルさに対して最後の真相がやたら複雑なのは好みの分かれるところ。
断罪のネバーモア
市川 憂人
KADOKAWA
2022-02-02


13位.名探偵は誰だ(芦辺拓)
豪華客船の客たちのなかで殺される人間を特定したり、ホテルの客たちに命を狙われているなかで命を狙っていない人物を探したりする変則的なフーダニットミステリー短編集。意外性満点の真相は魅力的ではある一方で、1話が短いこともあってロジカルな要素に乏しく、読者が推理するのは困難。
名探偵は誰だ
芦辺 拓
光文社
2022-04-19


14.431秒後の殺人: 京都辻占探偵六角 (床品美帆)
京都で法衣店を営む辻占の達人が探偵役の連作短編。犯行時刻にタクシーに乗っていたというアリバイに挑む表題作など、5編の収録作品はすべてハウダニットもの。トリック自体は小粒ながら、謎の魅せ方や解決のプロセスなどには光るものがあります。新人離れした落ち着きのある筆致も好印象。


15位.コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎(笛吹太郎)
ミステリ好きが集まってゲストが提供する謎を推理し合う『黒後家蜘蛛の会』的な連作ミステリ。伏線がわかりやすくて初心者向けの傾向はあるものの、7つの話はどれもテンポが良くて気軽に楽しめる佳品です。特に、誰も亡くなっていないのに毎年喪中はがきが送られてくる『謎の喪中はがき』が秀逸。


16位.卵の中の刺殺体――世界最小の密室(門前典之)
龍の卵を思わせるコンクリートの塊から発見された刺殺体を始めとして、連続殺人鬼・ドリルキラーによよる人間テーブル、別荘での連続密室殺人とわくわくする謎が次々と繰り出されます。相変わらずのバカミスですが、細部に工夫を施して説得力を高めており、完成度の高さはシリーズ随一。


17位.密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック(鴨崎暖炉) 
雪の館で連続密室殺人が起きるというのはマニアにとって堪らない趣向です。ただ、密室の謎は提示される端から解かれていくため、謎が醸し出すロマンやサスペンスという要素は皆無。トリックも複雑で明快さに欠けます。しかし、一種のパズル小説と割り切れば、それなりに楽しい作品ではあります。


18.逆転のアリバイ 刑事花房京子(香納諒一)
女刑事の花房京子が完全犯罪を目論む犯人を追い詰めていく刑事コロンボ型倒叙ミステリの第2弾。タイトルにアリバイとありますが、倒叙ミステリなのでアリバイ工作のネタは最初から明らかにされています。その代わり、犯人を追い詰めるための意表を突いた証拠と鮮やかな逆トリックが見事です。
逆転のアリバイ 刑事花房京子
香納 諒一
光文社
2022-04-19


19位.かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖(宮内悠介)
『黒後家蜘蛛の会』のオマージュ作品ですが、時代背景を絡めたホワイダニットメインの謎解きはロジカルさに欠ける面もあるため好き嫌いが分かれるかもしれません。しかし、明治という時代や社会についての考察には興味深いものがあり、探偵役の給仕・あやのの正体にも驚かされます。


20位.忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件 (阿泉来堂)
ホラー作家・那々木悠志郎シリーズ第3弾。今回は、那々木の未発表原稿を担当編集者が読んでいると現実でも怪異が起こりだすという展開です。過去作と比べて文章が格段にこなれており、ホラーとミステリーのバランスも絶妙といえる域に達しています。なにより、作中作を用いた仕掛けが見事です。



その他注目作品

エンドロール(潮谷験 )
若者の自殺が流行するポストコロナの世界を舞台に描かれる自殺推進派変死事件の謎は興味深いものがあります。ただ、前作・前々作のような徹底したロジックへのこだわりは希薄であり、どちらかというと社会派ミステリ的なホワイダニットが焦点となっています。そのため、本格としては物足りなさも。
エンドロール
潮谷 験
講談社
2022-03-31


新しい世界で 座間味くんの推理(石持浅海)
『月の扉』から続いている座間味くんシリーズ。その新作である本作は全7話収録の短編集であり、座間味くんが酒の肴として不可解な話に耳を傾け、鮮やかに謎を解いていく安楽探偵ぶりは安定の面白さです。ただ、肝心の謎に地味なものが多く、仕掛けもマンネリ傾向にある点は物足りなく感じます。
新しい世界で 座間味くんの推理
石持 浅海
光文社
2021-12-21


看守の信念(城山真一)
刑務官火石シリーズ第2弾。敏腕刑務官を探偵役に据えたシリーズですが、前作同様、刑務所内の人間模様と謎の面白さの絶妙なバランスでぐいぐいと読ませます。そして何より、張り巡らせた伏線を回収しての最後のどんでん返しに驚かされます。出来れば前作から順番に読んでほしいところです。
看守の信念 看守の流儀
城山真一
宝島社
2022-02-24


教え子殺し:倉西美波最後の事件谷原秋桜子/愛川晶 
美波シリーズ12年ぶりの新作であり、完結編。本作は高校教師になった美波とその教え子の2つの視点で語られ、合間に謎のメールが挿入される形になっているのですが、そこに込められた仕掛けがなかなかに強烈です。また、シリーズのファンにとってはフィナーレを飾るサービスもうれしいところ。
教え子殺し:倉西美波最後の事件
愛川 晶
原書房
2021-11-25


スクイッド荘の殺人(東川 篤哉)
烏賊川市シリーズ第9弾にして、13年ぶりの長編作品。雪に閉ざされたホテルでの殺人に過去のバラバラ殺人事件が絡む展開は悪くないものの、特に過去の事件に関してはトリックに無理があるのが気になるところ。一方、現在の事件の謎解きは悪くありませんし、ユーモアミステリーとしても秀逸。
スクイッド荘の殺人
東川 篤哉
光文社
2022-04-19


彼女は二度、殺される(秋尾秋)
殺された娘を能力者の力を借りてゾンビとして蘇らせようとしたところ、何者かによってゾンビ化すら不可能なほど破壊されていたという特殊設定ミステリ。バディものとして魅力的で、ミステリとしては終盤伏線を一気に回収していく手管が見事。ただ、伏線自体が素直すぎて真相は分かりやすいかも。


ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~(三上 延)
旧シリーズから数えて10作目。今回は亡くなった父親の蔵書の相続を巡っての謎が軸となっており、そこに夢野久作 の『ドグラ・マグラ』や樋口一葉の『通俗書簡文』などが絡む展開になっています。本に関する蘊蓄は相変わらず楽しいものの、相続を巡るホワイダニットは少々説得力に欠ける印象も。


探偵少女アリサの事件簿 さらば南武線東川篤哉 
小学4年生の少女と31歳の便利屋のコンビが事件の謎に挑むシーズの完結編。2人の掛け合いの楽しさとテンポの良さは相変わらずで、ミステリーとしても一定の面白さをキープしています。凄い仕掛けなどがあるわけではありませんが、気軽に謎解きを楽しむには最適な作品だといえるでしょう。


AIアテナの犯罪捜査 警察庁情報通信企画課<アテナプロジェクト>(越尾
ドローンによる犯行に対し、警察側は捜査AIを導入して真相に迫っていくというハイテクミステリーです。AIの捜査はリアリィティ豊かにテンポ良く描かれおり、興味深く読むことができます。そのうえ、ミステリとしてのヒネリも申し分なく、AIならではのトリックや張り巡らせた伏線の回収も見事です。


異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 嗜虐の拷問官(久住四季)
ヒロインが天才犯罪学者である死刑囚の助言を得て事件の謎を追う『羊たちの沈黙』的なシリーズ第3弾。本作は本格というよりもどちらかといえば、サスペンス+警察小説といった感じなのですが、終盤のどんでん返しからの意外な真相には驚かされます。フーダニットとしてよくできた佳品です。


楽園の殺人(越尾圭)
孤島を舞台にしたクローズドサークルものですが、その島が独自の生態系を有しており、固有種や外来種問題に絡んだ事件というのがユニーク。馴染みのない動植物の蘊蓄もたっぷり語られるので興味深く読むことができます。物語も先が気になる展開にも引き込まれていきます。ただ、真相はやや凡庸。
楽園の殺人
越尾 圭
二見書房
2021-11-22


青い雪 (麻加朋) 
本作を本格ミステリとしてみた場合、トリックやロジックが希薄な点は物足りなさを感じます。しかし、過去の幼女失踪事件を探っているうちにさまざまな証言が飛び出し、事件の構図が二転三jん点するさまはなかなかの面白さです。本格風味のミステリドラマとして読み応えのある作品だといえます。
青い雪
麻加 朋
光文社
2022-02-22


陽だまりに至る病(天祢涼)
生活安全課の仲田刑事と捜査一課の真壁警部補が活躍する本シリーズは子供を巡る社会派テーマと謎解きの融合が魅力なのですが、第3弾である本作は本格ミステリの部分がいま一つです。仕掛け自体は色々と用意されているものの、これといった目玉がなく、大きな驚きに繋がっていない点が残念。
陽だまりに至る病 (文春e-book)
天祢 涼
文藝春秋
2022-02-21


珈琲店タレーランの事件簿 7 悲しみの底に角砂糖を沈めて(岡崎琢磨)
シリーズ第7弾の本作は切間美星が安楽椅子探偵を務める短編集であり、本格ミステリに徹した作りになっています。新興旅行の土産にまつわれる怪異や全く動機が不明な不可解な不正抽選など謎も魅力的。ただ、そこから導き出される真相が妙に回りくどいものが多い点は好みの分かれるところ。


四面の阿修羅(吉田恭教)
探偵・槙野康平&刑事・東條有紀シリーズ第7弾。凄惨なバラバラ殺人事件を巡る謎は刺激的でスリリングな展開も読み応えありですが、いつものシリーズに比べて本格色が薄くサイコサスペンス寄りの作りなのが残念。そのため、謎解きは物足りなさを感じますが、作品自体の出来は悪くありません。
四面の阿修羅
吉田恭教
南雲堂
2022-03-07


クラウドの城(大谷睦)
元傭兵のハードボイルドな警備員が連続して起きる密室殺人の謎に挑むjハイブリッド型ミステリです。しかも、ハイテクセキュリティに守られた密室という設定がマニア心をくすぐります。ただ、肝心の密室トリックが小粒で独創性に欠ける点が残念。また、犯人特定のロジックも少々強引な気がします。
クラウドの城
大谷 睦
光文社
2022-02-22


幽世の薬剤師(紺野天龍)
和風ファンタジーな世界が舞台の医療ミステリーですが、主人公が現代医療の知識を有している点がポイントとなります。吸血鬼に噛まれたとしか思えない症状に対し、現代医療の知識を駆使しながらロジカルに真相へと迫っていくプロセスは読み応えありです。ハウダニット解明が秀逸な佳品。
幽世の薬剤師(新潮文庫nex)
紺野天龍
新潮社
2022-03-28


剣持麗子のワンナイト推理 (新川帆立)
シリーズ第3弾。今回は連作形式になっており、一癖も二癖もある橘警部補や元ホストの助手・黒丑らと共に事件の謎に挑みます。主人公たちの掛け合いが楽しい一方で、各事件の真相はかなり小粒。しかし、最終話でひとひねりを加えるという連作ミステリならではの仕掛けはなかなかユニークです。
剣持麗子のワンナイト推理
新川帆立
宝島社
2022-04-08


遺跡探偵・不結論馬の証明 世界七不思議は甦る(蒼井碧
重要文化財の庭園で発見された首切り死体や不可能犯罪を高校生が解き明かすという展開はいかにも新本格といった趣ですが、それらの謎は意外にあっさり解けてしまいます。その代わり、七不思議に絡んだ古代建築物に関する考察は読み応えありです。そうしたテーマに興味がある人にはオススメ。


グルメ警部の美食捜査2 謎の多すぎる高級寿司店(斎藤千輪)
美食家の御曹司・久留米警部とになった大食いのお抱え運転手カエデの2人が料理にまつわる事件に挑むシリーズ第2弾。相変わらず料理が美味しそうで本作の大きな読みどころとなっています。一方、ミステリーとしては料理の蘊蓄を活かした謎解きが楽しくてワクワクします。料理好きな人におすすめ。


ランチ探偵 彼女は謎に恋をする (水生大海 )  
会社の昼休みを活かしたランチタイム合コンで話題となった謎を、ミステリーマニアの天野ゆいかが推理する日常の謎系シリーズの第3弾。相棒の麗華との掛け合いが軽妙で、藩士のテンポも良いので気楽にらの染むことができます。さらに、謎の着眼点もユニークでミステリーとしても及第点以上です


古書カフェすみれ屋とランチ部事件 (里見蘭)
日常の謎を古書の蘊蓄を用いて解き明かすシリーズ第3弾。美味しそうな食事シーンを始めとして日常描写が非常に魅力的なシリーズですが、ミステリーとしても「なぜ楽しいデートのあとの辛辣なメールが送られてきたのか?」など、興味深い謎に引き込まれます。ただ、謎解きが少々くどすぎるのが難。


動機探偵 名村詩朗の洞察(喜多喜久 )
AI開発のために人の心の謎について研究している准教授が不可解な事件に対して動機の面からアプローチしていくシリーズの第2弾。全4話の物語はどれも真相の意外性に欠け、結末もすっきりしないものが多いものの、人間の不可解な行動に対してロジカルに迫っていくアプローチには引き込まれます。





Previous⇒2022本格ミステリ・ベスト10 国内版予想
2022も国内