最新更新日2021/04/22☆☆☆

2000年代の後半からコミックの世界ではゾンビ漫画が急速に数を増やし始め、一大ジャンルを形成していきます。1978年にジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』が公開され、映画界をゾンビブームが席巻してから約30年過ぎての話です。それまでの期間、ゾンビ漫画が全くなかったわけではありませんが、決して目立った存在ではありませんでした。どうして、急にその数を増やすし始めたのか?代表的な作品を紹介しつつ、その流れを追っていきます。
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※西暦表記は連載を開始した(描き下ろしの場合は単行本の初巻を発売した)年です
1991年

ゾンビが銀座にやって来る(佐々木慶子)
マリと高尾くんはラブラブのカップル。だが、そんな2人に対して世間の目は冷たい。なぜなら、高尾君は体の腐敗が進行中のゾンビだからだ。さまざまな障害を前にして、果たして2人は永遠の愛を貫けるのか?
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ミステリーボニータに掲載されたホラーラブコメディです。彼氏の外見はリアルゾンビで防臭剤と芳香剤を使わないと腐臭が漂うほどなのに、本人たちはいたって真面目に男女交際をしているという、そのギャップが笑えます。軽いタッチで気軽に楽しめる少女漫画ゾンビの佳品です。
ゾンビが銀座にやって来る(1)
佐々木慶子
オフィス漫
2018-12-07


2003年

ウォーキング・デッド(ロバート・カークマン脚本/チャーリー・アドラード作画)
田舎町の警官リックは勤務中に怪我を負い、昏睡状態に陥る。そして、目を覚ますとそこは荒廃した病院の中だった。リックが眠っている間にゾンビが発生し、文明社会が崩壊してしまったのだ。彼は苦難の末、ようやく愛する妻子との再会を果たすが、それは長い過酷な旅路の序章に過ぎなかった......。
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2010年から放送が始まり、全米で爆発的なヒットを記録したテレビドラマ『ウォーキング・デッド』の原作コミックです。ちなみに、日本ではテレビドラマの人気を受けて2011年より翻訳本の発売が始まっています。日本でゾンビ漫画が流行する前からヒットを記録していた作品ですが、日本の漫画と異なるのはその価格でしょう。漫画1冊に3000円というのは日本人の感覚でいえば法外な高さです。しかし、読んでみるとそれが決して高くない事実に気づかされます。本の分厚さもさることながら、1ページ1ページが恐ろしく密度の濃い作品で、ずっしりとした読み応えがあるのです。まるで、小説を読んでいるような重厚さがあり、それでいて物語のテンポが速いので退屈せずにサクサク読むことができます。コミック1冊で大作映画か長編小説を堪能したあとのような充実感を味わうことができるのです。ちなみに、1巻の途中で作画担当のトニー・ムーアがスケジュールの都合で降板し、ちょっと絵柄に癖のあるチャーリー・アドラードに交代しています。そのため、どうしても違和感を感じてしまうのが難点だといえます。しかし、クオリティの高さはあいかわらずなので、慣れてしまえばなんの問題もないでしょう。ソンビもの特有のグロ描写はかなりのものですが、それだけでは終わらず、濃厚な人間ドラマと緻密な心理描写を兼ね備えています。まさに、大人のためのエンターテイメントコミックスといえる大傑作です。ただ、アメコミを読み慣れていない場合はページやコマ割りが日本の漫画と逆だったり、擬音がほとんどなかったりで読みにくさを覚えるかもしれません。その辺りは注意が必要です。
ウォーキング・デッド
ロバート・カークマン
飛鳥新社
2011-10-03


2006年

学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD(佐藤ショウジ・画/佐藤大輔・原作)
ある日、藤美学園の校門前に不審な男が現れる。それに気付いた教師の一人が男を詰問するが、彼は突然、教師にかみついた。そのまま教師は息を引き取り、一緒にいた教師たちはパニックに陥る。しかも、その教師は突然蘇ったかと思うと、他の教師たちを襲い始めたのだ。一方、授業をさぼっていた小室孝はその現場を目撃し、この学校から脱出すべく幼馴染の宮本麗や友人の井豪永と合流する。だが、3人は校舎を移動中に正気を失った教師に遭遇し、永が噛まれてしまう。一連の騒動は噛まれると生ける屍と化して同じように人を襲い始める”奴ら”の仕業だったのだ。3人は屋上に逃れるが、やがて永も発症し、”奴ら”になってしまう。孝は麗に襲いかかろうとする永をやむなく殺害する。その頃、自称天才の高城沙耶、軍事オタクの平野コータ、剣の達人の毒島冴子らも生き残りをかけ、生徒たちを襲って数を増やしていく”奴ら”と死闘を繰り広げていたが......。
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ジョージ・A・ロメロのゾンビ映画に学園漫画の要素を組みこんだ、極めて王道的なゾンビ漫画です。急速に拡大するパンディミックの絶望感、派手なアクション、かなりエロチックなお色気シーンとB級ゾンビ映画の魅力を見事に漫画の世界に落とし込んでいます。また、この作品が発表されてから数年のちに爆発的にゾンビ漫画が増えたことを考えれば、先駆的作品ともいえるのではないでしょうか。2010年にはアニメ化もされ、こちらもかなりの人気を得ることになります。ただ、ゾンビ漫画が量産されている今となっては王道過ぎて新味がないのが難です。それに、物語の展開が早すぎて一本調子になりがちという問題点もあります。何より、原作者が亡くなったため、未完のまま終わってしまったのがなんとも残念です。
2007年

ライフ イズ デッド(古泉智浩)
21世紀初頭より流行の兆しを見せ始めたゾンビウィルスは瞬く間に世界中に広がっていく。しかも、このウィルスはゾンビに噛みつかれなくても、ウィルスが潜伏している人間と性交渉を行うことによっても感染するのだ。また、ゾンビになるまでのプロセスは非常に緩やかで、数週間から数カ月の潜伏期間を経て発症し、次第に運動機能が低下していく。そして、やがて死に至り、そこでようやくゾンビになるというものだった。日本の片田舎に住む青年・赤星逝雄もまた、ゾンビのウィルスに感染していた。診断ではステージ3の初期であり、ステージ5になると完全にゾンビになってしまう。彼は死への恐怖に怯えながらも、残り少ない人生を恋に趣味にと精一杯生きていくが......。
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ゾンビ化現象がエイズのような感染症として捉えられ、また、ゾンビとなった人々は怪物というよりも認知症にかかった徘徊老人のように描かれています。そのため、ホラー映画のような恐怖はほとんどありません。しかも、自分がキャリアである事実を知りながら男性と性交渉を重ねる女性や遊び半分でゾンビにかまう高校生といった存在が非常に生々しく、読んでいるとなんだかやるせない気分になってきます。ニートの描写に関しては右に出るものがいないといわれた作者がそれをゾンビに置き替えて描いた、極めて社会批判性に優れた傑作です。
ゾンビの星(浜岡賢次)
ゾンビの存在が確認されてから2年。地上がゾンビで埋め尽くされる中、21歳の星はるかは感染を免れ、しぶとく生きていた。なぜなら、彼女は完全なひきこもりだったため、他人との接触がなかったからだ。もともと孤独には慣れっこの彼女はゾンビたちに囲まれながらも楽しく毎日を過ごしていく。それどころか、エクササイズによるダイエットにも成功し、見た目もいい感じになっていた。やせて初めて自分が巨乳だという事実に気づき、男性の目も意識するようになったはるかだったが......。
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作者は『浦安鉄筋家族』の浜岡賢次で、ヤングチャンピオンに第1話が掲載されてからコミック化されるまで9年の歳月を要した作品です。その分、ゾンビの描き込みは凄まじく、よく見るとモブキャラのゾンビにも一体一体に個性があることが分かります。また、随所にゾンビあるあるネタも散りばめられており、作者のゾンビ愛がひしひしと感じられます。一方、ストーリーの方はあってなきがごとしです。全人類がゾンビになり、ヒロイン一人が孤立無援状態という悲惨極まりないシチュエーションなのですが、彼女に悲壮感は一切ありません。逆に、ゾンビ相手に好き勝手やっているところにシュールな笑いが生まれています。終末世界で繰り広げられる日常ギャグ漫画とでもいうべき異色傑作です。
2009年

アイアムアヒーロー(花沢健吾) 
鈴木英雄は35歳の漫画家。だが、連載していた漫画は早々に打ち切られ、アシスタントをして糊口を凌いでいた。唯一の慰めは恋人である黒川徹子の存在だったが、彼女は酒乱で、酔うたびに不甲斐ない英雄のことをなじっていた。そんなある日、英雄はタクシーに轢かれて首の骨が折れているのにも関わらず、運転手に噛みつき、奇声をあげて立ち去る女性を目撃する。しかも、徹子の部屋を訪ねてみると、彼女も同じように正気を失っており、英雄に襲いかかる。なんとか難を逃れた英雄だったが、街はDQNと呼ばれる感染者で溢れかえっていた。彼らは正常な人間を見つけると襲いかかり、彼らに噛まれた人間もDQNになっていく。都会を避け、富士の樹海に向かった英雄はそこで女子高生の早狩比呂美と出会う。2人は行動を共にするが、比呂美は赤ん坊のDQNに噛まれてしまい......。
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ゾンビが次第に数を増やしていき、人間社会が崩壊するさまを描いた王道的ゾンビ漫画です。ただ、『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』とは異なり、物語のテンポは非常にゆったりしています。単行本の1巻はほぼ主人公の日常を描くことに費やされ、そのため、日常の崩壊ぶりがよりリアルに感じられる作りになっているのです。ゾンビ漫画としては極めて完成度の高い作品だといえるでしょう。結果として、本作は大きな人気を集め、その後、ソンビ漫画が雨後の筍のごとく生まれるきっかけとなりました。ただ、本作が真に面白かったのは前半部分であり、終盤に向かうにつれて物語としての密度は薄くなってしまいます。そして、ついには伏線を放棄したまま最終回を迎えてしまいました。結局、本作はそのラストで大きく評価を落とすことになってしまったのです。なお、本作は2016年には実写映画化され、こちらは高い評価を得ています。
さんかれあ(はっとりみつる)
県立紫陽高校1年の降谷千紘はゾンビの女の子と交際することを夢見るゾンビフェチの少年だ。ある日、彼の家で飼っていた猫のばーぶが車にはねられて死んでしまう。そこで、千紘は夜ごとに家から抜け出し、怪しげな古文書を片手にばーぶの蘇生を試みる。そんなある夜、彼はお嬢様学校に通う美少女・散花礼弥と出会った。抑圧された家庭環境に息苦しさを感じていた礼弥はゾンビ蘇生薬を作るという千紘の話に興味を示し、協力を申し出るが.......。
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『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』や『アイアムアヒーロー』と並ぶゾンビムーブメント初期を代表する一作です。ただ、パンディミックによる恐怖を描くのではなく、ゾンビ少女とのラブストーリーを基軸としているのが独自の持ち味となっています。まず、登場する女性キャラがみな魅力的であり、萌え漫画としての魅力があります。また、主人公がゾンビフェチということで、ソンビへのこだわりが随所に見られるのもゾンビ好きな人にとってはうれしいところです。それになにより、ゾンビというものは次第に朽ちていくものなので、全編に漂う儚さが、ラブストーリーとしての切ない雰囲気を盛り上げてくれます。ただ、前半のラブコメ的な雰囲気に対して後半シリアス一辺倒になるのは好みが分かれるところかもしれません。完結した物語として見ると消化不良の感があるのも確かです。それでも、波乱万丈の末にたどり着いたラストシーンは非常に印象的であり、ゾンビとの恋愛を扱ったものとしては屈指の作品だといえるでしょう。
さんかれあ(1) (講談社コミックス)
はっとり みつる
講談社
2010-07-16


2010年

魍魎の揺りかご(三部けい)
修学旅行の生徒たちを乗せた船の中で突如、殺人事件が発生する。一部の生徒が犯行の瞬間を目撃したのだが、外国人客と思われる犯人は理性を失っており、どう見ても尋常ではなかった。恐怖にかられ逃げ惑う生徒たち。しかも、船は浸水を始め、瞬く間に転覆してしまう。殺人者の正体は何者なのか?船は一体なぜ浸水したのか?謎が謎を呼ぶ中、生き残った人々は力を合わせて船からの脱出を試みるが......。
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『バイオハザード』+『ポセイドンアドベンチャー』といった趣の作品です。既視感のある設定ではありますが、常に緊張感を纏わせながらテンポよく物語が進んでいくので読んでいる内にどんどん引き込まれていきます。いくつかのグループに分かれ、それぞれの人間模様が巧みに描かれており、誰が生き残るのかという点でも興味を引き付けられるつくりになっています。ただ、基本設定や登場人物の紹介が終わらない内から物語が動き出すので、最初は状況を把握するのに苦労するかもしれません。しかし、そこを乗り越えると、謎とサスペンスの物語に目が離せなくなっていきます。ラストもややご都合主義を感じないではありませんが、まずは破綻なくまとめられています。全6巻とほどよい長さなので、休日を利用して一気読みするには最適の作品だといえるのではないでしょうか。
魍魎の揺りかご 1 (ヤングガンガンコミックス)
三部 けい
スクウェア・エニックス
2010-08-21


ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビー童貞SOSー(すぎむらしんいち)
謎の感染症によって突如女性が凶暴化し、女ンビとなって男を襲い始める。大パニックの中、かろうじて生き残ったのは女に縁のないニートや引きこもりばかり。その一人、大助は母親が女ンビと化したことで2年ぶりに家の外に飛び出し、他のボンクラニートたちや女ンビ化を免れた美少女女子高生と力を合わせてサバイバルを生き抜くが......。
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おバカな設定とエログロ全開の作品ではあるものの、テンポがよくてサクサク読むことができます。かなりクセのある作風ですが、その辺りは慣れの問題でしょう。ゾンビ映画ネタも満載でオマージュ作品としてもなかなか秀逸です。そして、何よりも、最初から最後まで勢いだけで駆け抜ける疾走感がたまりません。特に、男女とも全編全裸でドタバタを繰り広げる最終巻の展開は必見です。
2011年

アポカリプスの砦(イナベカズ)
前田義明は平凡な高校生だったが、ある日、身に覚えのない殺人の罪を着せられ、少年院送りとなってしまう。しかも、そこはただの少年院ではなく、関東中のワルが集められた特別矯正施設だった。絶望の中で暴力と理不尽の渦に呑み込まれていく日々。その頃、施設の外ではゾンビが発生し、次第に人類の脅威となろうとしていた。そして、ついには施設に入った護送車の中で感染者がゾンビとなり、辺りは大パニックに陥る。危機的状況から逃れようとする中で、義明たちは否応なしにゾンビやそれを裏で操る黒幕との戦いに挑むことになるが......。
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少年院が舞台であるため、そこに立て篭もる話かと思えば、あっさりと外に出ていくのには肩透かしをくらうかもしれません。しかし、話のテンポがよく、キャラも立っているのでぐいぐいと引き込まれていきます。しかも、伏線を絡め、先の展開が気になるつくりになっているのが秀逸です。とにかく、巨大ゾンビが出現したり、ソンビ騒動の裏側で黒幕たちの陰謀が見え隠れしたりと、次々とイベントが起きて飽きさせません。どこに向かって話が進んでいくのか分からない疾走感が魅力となっている作品なのです。ただ、物語のラストはうまく着地したとは言い難く、やや竜頭蛇尾の感があるのが惜しまれます。
りびんぐでっど!(さと)
青山圭太は元気で明るい灰田ものこに片想いをしていたが、ある日、彼女は階段から落ちて死んでしまう。告白はおろか話しかけさえしなかったことを後悔した圭太は、せめてもの慰めにとラブレターを彼女の棺桶に入れる。ところが、その夜、ゾンビとなって蘇ったもなこが彼の家を訪ねてきたのだ。行くあてのない彼女は圭太のラブレターを読んで彼を頼ることにしたという。見捨てることもできず、もなこと同居を始める圭太だったが、彼女は予想以上にぶっ飛んだ性格をしており.......。
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突然押し掛けてきたゾンビ娘に振り回される主人公の姿を描いたドタバタコメディです。よくある同居ものラブコメに”体がもげる””はらわたが飛び散る””空腹になると主人公を食べようとする”などといったブラックな笑いをふんだんに盛り込んでいる点が持ち味となっています。見た目が可愛いだけに、そのギャップがかなりシュールです。ヒロインがノー天気すぎるのは好みのわかれるところですが、全体的にゾンビという素材をうまく笑いに転化しており、なかなかの佳品に仕上がっています。それだけに、人気が出ずに打ち切りとなり、終盤が駆け足になってしまったのが残念です。
2012年

がっこうぐらし(千葉サドル)
丈槍由紀、恵飛須沢胡桃、若狭悠里の3人は巡ヶ丘高校の3年生。顧問の佐倉慈の元で学園生活部を作り、学校で暮らす日々を続けていた。毎日繰り返される楽しい学園生活。だが、そこにはある秘密が隠されていたのだ。
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きらら系にありがちな萌えキャラたちのキャッキャッウフフの作品とパンディミックによる恐怖を描いたゾンビ漫画を大胆に融合した作品です。その結果、両者のギャップによるインパクトが読者に忘れ難い印象を与えることになります。特に、2015年に放映されたアニメ版1話はその強烈な反転が語り草になったほどです。また、「もし、キララ系美少女がゾンビの世界に放り込まれたら?」というifの物語としてもよくできています。シリアスな展開をほのぼの空間へと変え、そのほのぼの空間を一気に奈落の底へと叩き落とすという緩急の激しさがたまりません。なお、全12巻の本編のうち、高校が舞台なのは5巻までです。6巻からは大学に舞台を変え、しかも、登場人物が一気に増えるため、そこからはどちらかといえば普通のゾンビものに近い展開となります。さらに、10巻からは大学を離れ、謎の究明編へと移行します。きらら風のゾンビ漫画がずっと続くことを期待していた人にとってはがっかりかもしれませんが、それぞれに異なる面白さがある点も本作の魅力だといえるのではないでしょうか。ただし、物語の決着のつけ方は少々不満の残る出来です。打ち切り漫画のように終盤の展開が駆け足になってしまい、消化不良気味のラストになってしまっています。ゾンビ漫画に新しい可能性を切り開いた画期的な作品だっただけにその点がいかにも残念です。
就職難!!ゾンビ取りガール(福満しげゆき)
不景気で就職難の日本。しかも、街にはゾンビがあふれかえっているという末期症状を示していた。そんな中、零細ゾンビ回収業者のゾンビバスターズに新卒の女の子がバイトとしてやってくる。先輩である冴えない男性社員は彼女に少しでも長い間勤めてもらおうと色々気を使うが.......。
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ゾンビ退治を職業として描き、お仕事漫画にしてしまった着眼点が非常にユニークです。しかも、倒すのではなく、捕獲するという点に他のゾンビものにはない面白さがあります。それに、公共事業としての認可手続き、ゾンビの生態、捕獲方法などなど、ゾンビのいる日常という大ウソをディテールの細やかさによって説得力を持たせている点が秀逸です。基本的にゆるい世界観なのですが、後半になると手強いゾンビも登場し、意外に迫力のあるバトルを披露してくれます。また、ちょっと天然なヒロインを始めとして登場人物もそれぞれいい味を出しています。ゾンビ漫画を語る上では欠かせない傑作であり、それだけに途中で連載が中断しているのが残念です。
Z~ゼット~(相原コージ)
謎のウィルスによって人間や動物が凶暴化する現象が発生する。最初は局地的な現象であったものの、やがては人々の日常を脅かすまでになっていった。そして、ついには爆発的に数を増やしたゾンビによって、国家の機能が麻痺する事態にまで陥ってしまう。そんな中、女子高生の戸田凛子は祖母から受け継いだ薙刀術を駆使し、ソンビとの戦いを生き抜いていくが......。
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王道的なパンディミックスによるゾンビものですが、冒頭からゾンビを監禁してレイプしようとするキモオタというドギツイ描写から始まるのがいかにも相原コージの作品です。しかも、本作のゾンビはなかなか凶悪で、走ったりはしないものの、頭を破壊しても死にません。できるのは足を斬って動きを止めることぐらいです。そこで、主人公格の凛子が薙刀使いという設定がうまく活かされています。また、本作はオムニバス形式を採用しており、時系列をバラバラにして異なる人物の視点からさまざまなエピソードを挿入している点に特徴があります。そのため、メインストーリーに縛られない多様なシチュエーションが楽しめるというわけです。しかも、裸の女ゾンビを探しにいく小学生やゾンビAVの撮影など、他の漫画家なら絶対に描かないだろうという話が満載で、ゾンビものには飽きたという人でも興味深く読むことができます。ただ、掲載雑誌の休刊とともに連載が終わってしまったので、不完全燃焼感が残ってしまったのが惜しまれます。
Z~ゼット~(1) (ニチブンコミックス)
相原コージ
日本文芸社
2013-04-26


2013年

シカバネ★チェリー(こなみ詔子)
オカルト好きの少女・美雨は毎晩心霊スポット巡りをしているせいで、朝が弱いのが悩みの種だった。それを聞いた幼馴染の羽瑠は自分が発明したという細胞活性薬”チェリースープ”を一滴だけ彼女に飲ませる。すると、美雨はたちまち気分爽快になり、体から活力がわいてくるのを自覚する。しかも、彼女が憧れていたクール系男子の桃野くんが自分と同じオカルト好きだと知り、意気投合するというおまけ付きだった。一緒にホラー映画を観に行く約束をする2人だったが、デート当日美雨は熱を出してしまう。なんとしてもデートに行きたい美雨はチェリースープを一瓶飲み干す。異様に元気になった彼女は全速力で走りだし、そのまま電柱に激突してしまった。なんとか約束の場所に到着し、楽しいデートの時間を過ごすが、その途中で美雨は自分の心臓が動いていない事実に気がつく。実は、電柱に激突した時点で美雨は死んでおり、チェリースープの力でかろうじて動かされていたのだ。つまり、今の彼女はゾンビそのものだった。美雨は羽瑠の協力の元、なんとか自分がゾンビになったことを周囲に知られないようにしようとするが......。
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なんのとりえもない女の子がふとしたきっかけでイケメン男子に気に入られ、嫉妬した女子たちからいじめられる。あらすじだけを読めば、いかにもありがちな少女漫画です。しかし、その中身はパワフルなギャグが満載で、男性読者でも十分に楽しめる仕様となっています。特に、ゾンビになってもひたすらお馬鹿でポジティブなヒロインのぶっ飛んだ行動が面白くて目が離せません。しかも、だんだん腐り始めたり、首が取れたりと少女漫画のヒロインとしてはいかがなものかという状態になっているのに、それでもドタバタコメディで突き抜けていく姿勢が逆に爽快です。ただ、終盤に入るとさすがに物語はシリアスの度合いを増していきます。そのこと自体は別によいのですが、その末にたどり着く、消化不良気味ですっきりしないラストは賛否が分かれるところです。
ゾンビチャン(真島悦也)
夜の街を徘徊するメイド少女たち。その正体は人肉を求めてさ迷うゾンビだった。
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ゾンビ少女たちを主役にし、ゾンビ少女の視点から描かれたゾンビ漫画です。かといって、よくある萌え萌えなゾンビ少女が出てきて人間の男の子とラブコメ展開になるような話ではありません。見た目は可愛いのですが、中身はゾンビそのもので一切容赦がないのです。平然と人間を襲って食べますし、場合によっては自分の腕を食べたり、共食いをしたりもします。可愛い絵柄やのほほーんとした雰囲気と容赦のない描写のミスマッチ感がなんともいえないブラックな笑いを醸し出しています。ハマる人はハマるといった独特の世界観が魅力のカルト作品です。


2014年

姫路城リビングデッド(漆原玖)
戦乱の世が終わり、新しい秩序が生まれようとしていた17世紀の初頭。播磨に住む城好きの青年、虎次は今日も姫路城の石垣に張り付いてその感触を堪能していた。ところが、姫路城はいつの間にか謎の敵に包囲され、異様な化け物たちが襲いかかってくる。化け物の正体は戦国時代に命を落としたサムライたちがソンビ化したものだった。織田信長・武田信玄・上杉謙信といった戦国武将が復活し、姫路城を我がものとしようとする。虎次は仲間たちと合流し、姫路城のために立ち上がるが.......。
◆◆◆◆◆◆
ゾンビの群れに襲われて屋内に立て篭もるという鉄板ネタを堅牢さで有名な姫路城で行うというのがユニークです。しかも、敵はレジェンド級の戦国武将ゾンビ、味方は宮本武蔵に伊賀忍者というごった煮感がうまい具合にハマり、話を盛り上げてくれます。それだけに、怒涛の展開が始まり、これから面白くなるといったところで打ち切りになったのが残念です。ゾンビ漫画の新しい可能性を感じさせてくれる一作です。
花と嘘とマコト(あさの)
花とマコトは同じ学校の友達同士。その2人が夏休みに入って一緒に暮らし始める。だが、マコトは言葉をしゃべらず、その仕草はまるで赤ん坊のようだった。実は、彼女は交通事故ですでに死んでおり、その後、代行症によって蘇ったのだ。ただし、代行症に感染した人間は生前の記憶と知能をほとんど失ってしまう。そんな彼女に対し、花は熱心に世話をしながら、少しずつ言葉を教えていくが.....。
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序盤は、ソンビになった女の子とヒロインの生活が淡々と描かれ、まるでゾンビ版百合系日常漫画といった趣です。しかし、後半からは2人を取り巻く環境が徐々に明らかになり、物語はシリアスの度合いを増していきます。そして、たどりつく切ないラストはなかなかぐっとくるものがあります。ただ、抑揚の乏しい淡々とした展開は人によっては冗長と感じられるかもしれません。泣ける話をあえて平板に描いた点は、それがいいという人もいれば、物足りないと感じる人もいるのではないでしょうか。説明を最小限に抑えて読者の想像力に委ねるスタイルといい、大きく賛否のわかれそうな作品です。
ゾンビが出たので学校休み。(むうりあん)
長野から修学旅行で東京に来ていた女子高生4人組。ところが、突如ゾンビが大量発生し、逃げ遅れた4人は秋葉原のお店で籠城を余儀なくされてしまう。ゾンビのひしめく街で少女たちはサバイバル生活を送りながらも、意外とまったりとした日常を満喫していたが......。
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ゾンビもののフォーマットを踏襲しつつも、『がっこうぐらし』からさらにシリアス成分を薄くして限りなく日常4コマ漫画に近付けた作品です。百合百合したキャッキャッウフフな描写が基調となっている一方、その中にブレンドされたゾンビと隣り合わせのドキドキ感が程良いアクセントとして機能しています。また、登場人物もみなキャラが立っており、日常漫画としての出来は申し分ありません。終盤は若干シリアスにはなるものの、それほど深刻な事態にはならず、ほどよくまとまった佳品に仕上がっています。
2015年

アリス・イン・デッドリースクール(小島アジコ)
漫才研究会の優と信は漫才の練習をしに校舎の屋上へとあがる。それから、その2人をこっそりとつけてきたストーカーのメグやインタビューにやってきた新聞部の千十合(ちずえ)など、屋上には次々と生徒たちが集まってきた。しかし、その時、校庭を見降ろした彼女たちは驚愕する。地上では生徒同士が殺し合うという地獄絵図が繰り広げられていたのだ。いつの間にかゾンビによるパンディミックが発生していたことを知った彼女たちは逃げ込んできた生徒たちと一緒に屋上で籠城を始めるが.......。
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もともと舞台として上演されていたものを『となりの801ちゃん』の小島アジコがコミック化した作品です。四コマ漫画の形式を採用しており、ノリも絵柄も日常4コマそのものです。状況は悲惨なのに作風はコメディタッチという、ちぐはぐ感がなんともいえない独特の味を醸し出しています。また、全1巻の割に登場人物が多くてごちゃごちゃした印象ですが、そのことが、後半どんどん人が減っていく切なさを強調する効果をあげています。コミカルな雰囲気だからこそ、登場人物の死と別れが鮮烈な印象を残す傑作です。
青春と憂鬱とゾンビ(古泉智浩)
ゾンビ化しつつあるドルオタが懸命にライブ会場に向かう『日本一スカートの短いゾンビ』、売れないお笑い芸人がゾンビウィルスに感染したことで注目を集めていく『地下芸人がゾンビに噛まれた結果w』など、日常のゾンビをテーマにした中短編漫画を5篇収録した作品集。
◆◆◆◆◆◆
ゾンビが蔓延している社会を描いたオムニバス作品ですが、ゾンビによって人類絶滅の危機に陥っているわけではないという点に独特の味があります。ゾンビウィルスによる年間発症者は5千人でウィルス保持者は全国で10万人程度と、タチの悪い伝染病といった扱いです。そのことによって、逆に、感染者の悲哀や感染者を取り巻く人々のエゴなどをよりリアリティ豊かに描くことに成功しています。名作『ライフ・イズ・デッド』にも通じる佳品です。
青春と憂鬱とゾンビ
古泉智浩
太田出版
2015-10-15


小学生ゾンビ・ロメ夫(二宮香乃)
ある日、小学校の4年4組に転校生がやってくる。彼の名は穣治・ロメ夫。成績優秀、スポーツ万能の上にピアノも優雅に弾いてしまうという優等生ぶりを発揮し、たちまちクラスの人気者になる。だが、彼には一つだけ問題があった。ロミ夫の正体は生ける屍、つまりゾンビだったのだ。そのため、ドッジボールをすると首がもげ、肝試しをすると辺りに内臓をぶちまけるといった具合に、次から次へとトラブルを巻き起こしていくが......。
◆◆◆◆◆◆
見た目は不気味なゾンビなのに、物語はほのぼの学園漫画というギャップが笑いを生むスラップスティックコメディです。描写は結構グロいのですが、読んでいる内にロメ夫がだんだん可愛く感じてくるのが不思議です。また、クビが飛んだり、はらわたをぶちまけたりする描写も根底に流れるヒューマンドラマの味わいによって上手い具合に中和され、嫌悪感を覚えずに笑いながら読むことができます。凡百のホラーコメディとは一味違った感性で描かれた異色傑作です。
小学生ゾンビ・ロメ夫 (ビームコミックス)
二宮 香乃
KADOKAWA/エンターブレイン
2015-12-14


2016年

ベルサイユオブザデッド(スエカネクミコ)
マリーアントワネットの一行はルイ・オーギュストとの婚姻のためにオーストリアからフランスに向かっていた。しかし、その道中で不死者の群れに襲われ、一行はあっという間に喰い殺されてしまう。マリーアントワネットだけがボロボロになった馬車を走らせてなんとかベルサイユ宮殿にたどり着くもそれは本物のマリーアントワネットではなく、双子の弟・アルベールが姉に変装した姿だった。その後、暗殺者に襲われたことで彼の正体は一部の人間に知られることになるものの、さまざまな思惑によって婚姻の儀はそのまま行われることになる。一方、裏ではルイ15世の愛人であるデュ・バリー夫人に取り入ってアルベールの命を狙う勢力や不死者を生み出して操る謎の集団が暗躍していた.....。
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フランス革命前夜の歴史ロマンとゾンビものを融合させた作品ですが、それだけに留まらず、天使や悪魔が出てくるなどさまざまな要素がギュウギュウに詰め込まれています。そして、1話でいきなりマリー・アントワネットが死んでしまうなど、怒涛の展開が繰り広げられるのでページをめくる手が止まらなくなるのです。また、物語は歴史上の人物を交えて展開されるため、フランス革命に詳しい、あるいは『ベルサイユの薔薇』を読んだことがあるという人なら一層楽しめるのではないでしょうか。そして、なにより独特のタッチの絵が魅力的です。ただ、本作は必ずしもゾンビがメインではなく、ジャンル的にはダークファンタジーの要素が強いので、王道的なソンビホラーを期待すると肩透かしを喰らう可能性があります。それから、あまりにも色々な要素を散りばめすぎたため、最後は収集がつかなくなってしまった感があるのが少々残念です。


不良のはらわた YANKEE OF THE DEAD(今村KSK)
日本最凶の不良校として名高い狼命露館に転校生がやってくる。彼の名は邑楽真剣(おうら・がち)。頭は悪いが、恐ろしく腕っ節が強い彼の目標は、全国の不良のてっぺんをとることだった。だが、狼命露館の不良たちは一筋縄ではいかない。真剣が最初に戦うことになったのは不死身の藤沢と呼ばれる男だったが、彼は殴っても殴っても立ち上がり、腹に風穴があいても全くひるむ様子がない。それでも何とか藤沢を倒す真剣だったが、そこに現れた歩く災害こと郷田・ジロラーモ・明生に一撃で吹き飛ばされてしまうのだった。しかも、その翌日には高校と外部をつなぐ唯一の橋が破壊され........。
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一言でいえば、不良校でパンディミックが発生してどんどんゾンビが増えていくお話です。しかし、不良たちはみんな頭が悪いのでその事実に気づかず、抗争が激化しているとしか思っていないところが笑えます。しかも、ようやくゾンビの存在が認識されたと思えば、今度は「童貞はゾンビに感染しない」という珍妙な説が流れて混乱に拍車がかかります。不良漫画を装ったシリアス調の物語の中で炸裂する予想外のギャグの破壊力はかなりのものです。
ニューヨークで突如発生したゾンビウィルスは瞬く間に世界を席巻する。日本はいち早く鎖国をして、ゾンビの発生を防いでいたが、物資の不足から輸入を再開したため、ゾンビウィルスの侵入を許してしまう。一方、ヒキコモリのアイドルオタク・修造は秋葉原にアイドルの握手会に出掛け、ゾンビ化したアイドルに噛まれて自身もゾンビとなってしまうのだった。しかし、彼はゾンビになっても人としての意識を保ち、ソンビ界の神を目指そうとするが......。
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最初はゾンビが人を襲い、数を増やしていくという王道的なゾンビものとしてスタートします。しかし、そこから、主人公がゾンビだらけの世界でサバイバルをするというお決まりの展開にはならず、彼自身がゾンビになってしまうという設定がユニークです。それに、人間・従来型ゾンビ・知性型ゾンビの3つの種に分かれ、人間と知性型ゾンビが共闘するというのも今までのゾンビものにはなかったパターンです。また、どうしようもないクズだった主人公がゾンビになることによって存在感を発揮し始めるのも、読んでいて引き込まれるものがあります。うまくいけば『アイアムアヒーロー』の後継作になるだけのポテンシャルを持った作品でした。それだけに、人気に火がつくことがなく、4巻で打ち切りになったのが惜しまれます。
2017年

ゾンビな毎日(渡辺電機(株))
世界各国でゾンビが大量発生し、人類はあっけなく滅亡した....かに思われた。ところが、ゾンビになった人々がある日を境に理性を取り戻し、文明社会を復興させていく。とはいっても、みんな体はゾンビのままなので、日々の生活はなんだかはホラーなことになっていた。そんな中、享年15歳の原和田存美はイケメンバラバラゾンビの車崎先輩と運命的な出会いを果たし、彼に恋をするのだが......。
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もし、ソンビになった人類が再び理性を取り戻したら?というコロンブスの卵的発想が絶妙な日常ホラーコメディです。絵柄は可愛いく、話も割とほのぼのしているのに、絵面はとんでもないことになっているというギャップがたまりません。ネタも結構きわどい線をついており、そのやり過ぎ感がブラックな笑いを生んでいます。他の作家では描きえない唯一無二の感性が楽しい怪作です。
ゾンビな毎日 (SPコミックス)
渡辺電機(株)
リイド社
2018-06-25



2018年

ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~(麻生羽呂)

ブラックな体質の制作会社に入社して3年目。天道輝は24歳の若さにして身も心もボロボロになり、その顔つきはまるでゾンビのようだった。夜食を食べながらゾンビ映画を見ていても、「会社に比べたら天国だよな」とつぶやく始末。だが、ある朝、出社しようとすると、本当に街じゅうにゾンビが溢れ、人を襲い始めていた。ゾンビに追いかけられて逃げまどう彰だったが、その最中に、もう会社へは行かなくてもよいのだという事実に気が付き、歓喜の声を上げる。こうして、輝はサバイバル生活を続けながら、仕事に縛られない自由な生活を謳歌していく。そして、いつか自分がゾンビになってしまう前に、やっておきたいことをノートに書いていくが.....。
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周囲はゾンビだらけなのに主人公サイドに悲壮感が一切ないのがユニークです。キャラも魅力的で、世紀末の世界で生き生きとしている姿を見ているとこちらまで元気がでてきます。刹那的ではあるものの、その前向きな姿勢は多くの読者の共感を得るのではないでしょうか。ギャグテイストのゾンビものとして完成度の高い佳品です。