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2017年1月19日発表予定の直木賞の候補作について概要をまとめてみました。


十二人の死にたい子供たち(沖方丁)
本書は安楽死をするために病院跡に集まった12人の子供たちが、ベットの上で息絶えている見知らぬ13人目の子供を発見し、事件に対する推理や自分が自殺を決意した理由などについて語り合うというもの。タイトルからわかるように名作映画『十二人の怒れる男』を意識した作品です。
作者の沖方丁氏はライトノベル作家としてデビューした後、アニメ脚本家としても活躍しつつ、一般小説に転向。『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、『光圀伝』で山田風太郎賞など数々の受賞に輝いています。なお、直木賞ノミネートは『天地明察』に続いて2回目です。


蜜蜂と遠雷(恩田陸)※直木賞受賞
自分のピアノを持たず、養蜂家である父の手伝いをしている15歳の少年・塵。本作は有名なピアノコンテストを舞台に、塵を始めとする個性豊かな天才ピアニストたちが集結し、しのぎを削る青春群像劇です。
恩田陸氏は1991年に『六番目の小夜子』でデビュー。SFやミステリーを中心に作品を発表し、ノスタルジックな作風で有名な作家です。受賞作としては吉川英治文学新人賞と本屋大賞を受賞した『夜のピクニック』、日本推理作家協会賞を受賞した『ユージニア』、山本周五郎賞の『中庭の出来事』があります。直木賞ノミネートは『ユージニア』、『蒲公英草紙』、『きのうの世界』、『夢違』、『夜の底は柔らかな幻』に続いて6回目です。
蜜蜂と遠雷
恩田 陸
幻冬舎
2016-09-23


また、桜の国で(須賀しのぶ)
第二次世界大戦下、ロシア人を父に持つ日本大使館外務書記生とユダヤ人系ポーランド人の友情と国を守る戦いを描いたワルシャワ蜂起秘話。
須賀しのぶ氏は1995年に『惑星童話』で少女小説家としてデビュー。2007年に『スイートダイヤリーズ』で一般文芸に進出した後、2010年の『神の棘』で注目され、2015年に発表した『革命前夜』で大藪春彦賞を受賞しています。直木賞は初ノミネートです。
また、桜の国で
須賀 しのぶ
祥伝社
2016-10-12


室町無頼(垣根涼介)
舞台は応仁の乱前夜の京都。徳政令を求める寛正の土一揆にかかわった3人の男の生きざまを描いたハードボイルド時代劇。
垣根涼介氏は2000年『午前三時のルースター』作家デビュー。2004年に『ワイルド・ソウル』で日本推理作家協会賞、吉川英治文学新人賞、大藪春彦賞のトリプル受賞を達成しました。さらに、翌年の『君たちに明日はない』で山本周五郎賞を受賞しています。ちなみに、本書は第7回山田風太郎賞にもノミネートされましたが、惜しくも受賞は逃しています。
室町無頼
垣根 涼介
新潮社
2016-08-22


夜行(森見登美彦)
京都の大学で一緒に過ごした6人の男女。しかし、祭りの夜に長谷川さんは姿を消し、残された仲間たちは10年後に再会する。いずれも旅先で『夜行』と呼ばれる絵と出会った不思議なエピソードを携えて。ホラー要素が色濃く現れた森見登美彦の新境地。
森見登美彦氏は2003年の『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同書は直木賞にノミネートされた他、本屋大賞でも2位に選ばれ、注目が集まりました(なお、同作品はは2017年4月にアニメ映画公開が決まっています)。2010年には『ペンギン・ハイウェイ』で日本SF大賞も受賞しています。

夜行
森見 登美彦
小学館
2016-10-25





受賞作予想
予想というより、下馬評では恩田陸氏の『蜜蜂と遠雷』が大本命になっていますね。ノミネート6回目でそろそろというのもありますし、なによりも作品自体の評判が頭ひとつ抜けています。他の作品を見てみると『室町無頼』は先の山田風太郎賞で落ちていますし、『また、桜の国で』も良い作品ではありますが、初ノミネートで受賞という高いハードルを越えられるかが問題です。『十二人の死にたい子供経ち』は評判的に賛否両論的なところがあり、そうなると対抗馬になるのが『夜行』ですが、ファンタジーホラーというジャンルは直木賞では厳しそうな気がします。というわけで、『蜜蜂と遠雷』イチオシ予想ですが、果たして結果はどうなるでしょうか?

1月19日追記
第156回直木賞はやはり下馬評通り恩田陸氏の『蜜蜂と遠雷』でした。さすがに大本命と言われただけのことはありますね。今回は予想も楽でした。ちなみに芥川賞は山下澄人氏の『しんせかい』です。


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